C-1 EPISODE 3 - THE ENCOUNTER - 出会い

Akine's First Day

The room the gallery owner lent her was small yet warm, faint with cedar.

She touched the worn quilt and listened to the muffled silence.

The town’s air was different—cool, wide, tinged with salt and metal.

Restless, she stepped into the dim street,

lamps leaning like old men in quiet talk.

From beyond the murmur, a rhythm—

like footsteps, but alive, carrying heat.

It led her through an alley,

to a low building spilling light and sound.

Blues rock—her favorite. A rehearsal.

She peeked inside, guilty, curious.

The drummer drew her eyes.

She slipped back out,

telling herself she had seen nothing, heard nothing,

breathing into the wind.

Yet the rhythm lingered,

like the secret pulse of the natural world. 

秋音、最初の一歩

ギャラリーのオーナーが貸してくれた部屋は狭かったが、杉板の風がかすかに漂う暖かさだった。

彼女は擦り切れたキルトに触れ、くぐもった静寂に耳を澄ませた。

街の空気は違っていた。冷たく、広く、潮と金属の匂いが漂っていた。

落ち着かず、彼女は薄暗い通りに足を踏み入れた。ランプは、まるで老人たちが静かに語り合うように傾いていた。

ざわめきの向こうから、リズムが聞こえてきた。

足音のようでもあり、しかし、生きていて、熱を帯びていた。

そのリズムは彼女を路地へと導き、

光と音を放つ低い建物へと導いた。

ブルースロック。彼女のお気に入り。リハーサルだ。

彼女は罪悪感と好奇心を抱きながら、中を覗いた。

ドラマーが彼女の視線を引きつけた。

彼女は何も見ていない、何も聞いていないと自分に言い聞かせながら、そっと部屋から出て行った。

風に息を吸い込んだ。

それでも、リズムは、自然界の秘められた鼓動のように、いつまでも残っていた。

Ghobbuls Voice

Perhaps you already know.
What you saw was neither shadow
nor illusion.

The sound, too, not for the first time.
Only hidden, concealed.

It had simply not remained
as presence.

ゴブルズの声

あなたはもう気がついているかもしれない。

見たものは影でもなく、

幻想でもないこと。

その音は、初めてではないことも

ただ隠れて、隠されて。

存在として残っていなかっただけ。